レ・コトー・ド カマンサック 2000 とは
フランス・ボルドー地方のオー・メドック地区、格付け5級のシャトー・カマンサックのセカンドワインのレ・コトー・ド・カマンサック。
今回は「LES COTEAUX DE CAMENSAC 2000」ということで、2000年のヴィンテージ。
2000年はボルドー史上最高のヴィンテージの年といわれていて、この年はボルドー全体が天候に恵まれ最高の出来になった年です。ボルドー地方の代表的なブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニョンやメルロー以外の品種も全て好調だったそうです。
レ・コトー・ド カマンサック 2000は、カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロー40%がブレンドされた赤スティルワイン。
土壌の特徴は、表土は砂利が深く、下層は粘土質。垣根仕立てのダブルギュイヨ(Double Guyot、ギヨー・ドゥーブル)方式。収穫は手摘みです。
ステンレスタンクとセメントタンクを併用し発酵、3週間のマセラシオンを行い、フレンチバリックにて15ヶ月熟成。新樽率は40%。
完熟感のある黒色果実の香りにバニラやシナモンなどのスパイス、ハーブや西洋杉、ミネラルの香り。プルーンのようなまろやかな果実味と綺麗な酸味がバランス良く広がります。オークや土のニュアンスもありました。
テイスティングした感覚は、ミディアム・ボディー、タンニンは中程度~強め、セミドライ、酸味は低~中程度かなと思います。
ペアリングするなら、サーロインステーキ、ウォッシュタイプのチーズを。
現在、国内価格で3,000円-4,000円前後。
16年の熟成を経たボルドー左岸のクリュブルジョアのワインにしてはとてもお買い得です。
それもそう、こちらはセカンドワインなのです。
セカンドワインとは
セカンドワインがあるということは、もちろんファーストワインも存在します。
ファーストワインは、フランスのトップクラスのワイン、5大シャトーなどが代表で、伝統があり、高品質であり、世界的に認められているフランスの超高級ワインを指します。フランスの最も高いワイン基準をクリアしているワインで、1級格付けされているものがファーストワインです。
それに対して、伝統や品質面においてファーストほどのレベルに達しなかったワインを「セカンドワイン」と呼びます。
こう聞けば、セカンドワインに対して悪い印象を持つ人がいるのですが、劣化品というわけではありません。
あくまで、ファーストレベルには届かない品質なだけ。
最終チェックまでは多くの厳格な基準をクリアしているわけですから、それなりの高品質があることはたしかです。
セカンドワインは、ファーストラベルと同じ畑、同じ製法で作られたワインが格安で飲めるため、気軽に高級ワインを楽しみたい人にはおすすめです。
シャトー・カマンサックのセカンドワインは、ラ・クロズリー・ド・カマンサック “LA CHOSERIE DE CAMENSAC” でリリースされておりますが、
こちらの、LES COTEAUX DE CAMENSAC はフランス国内消費がほとんどで国外にあまり出回っていないそうです。
シャトー・カマンサックの歴史
シャトー・カマンサックは、オー・メドック地区の第5級格付けシャトーです。
カマンサックは、サン=ジュリアンの西のサンローラン村にあるシャトーです。サン=ジュリアンのワインに似た、良質の果実味、ミディアムボディで、よいヴィンテージなら10年間はセラーで寝かせるのには十分なタンニンがあるという特徴があります。
1855年に第5級に格付けされたものの、注目されず忘れ去られた存在になっていたシャトーでした。実は、格付けシャトーの中では知名度が低いシャトーのひとつでもあります。
1964年、スペインのリオハ地方にあるモダンなスタイルの上質なワインで知られるワイナリー、マルケス・デ・カセレスを所有しているフォルネール兄弟によって買収された後、エミール・ペイノー教授(有名なフランスのワイン醸造学者、サントリーも教えをこうています。)の指導のもと、ブドウ樹の植え替えを行い、醸造所と貯蔵庫は最新のものを導入しました。
これらの設備投資により、品質は格段に向上しました。エミール・ペイノー教授の助力で、カマンサックのワインはスタイルが軽くなり、しなやかさと果実味が強まったと言われています。
その後、このシャトーのコンサルタントはミッシェル・ロランに託され現在に至っています。アメリカ人好みのモダンなスタイルとなりそれに伴い、評価・人気も急上昇しているシャトーです。
まだまだ知名度は低いですが、舌の肥えたワインラバーがうなるワインなのはまちがいなく、飲むなら今がチャンス!な赤ワインです。