ブドウの果汁は自然の甘さを持ちますが、酵母が発酵中に糖分を消費する*ことにより、甘さは減少します。
*ブドウ果汁の糖分+酵母⇒アルコール、二酸化炭素
以前の投稿「ワインとは」
酵母は、アルコール度数が15%に達するか、あるいは糖分がすべて消費された時点で死滅します。酵母が死滅した時点でワインの中に残された糖分が、ワインの甘味 “Sweetness” を決定します。
辛口/Dry
酵母がすべての糖分をアルコールと二酸化炭素に変換することにより、ほとんどのワインは辛口ワインとなります。いくらかの度合いの違いはありますが、流通しているほとんどの赤ワインと過半数の白ワインは辛口です。
辛口の赤ワインの例として、
- シャトーヌフ・デュ・パプ(フランス)
- キャンティ(イタリア)
- カベルネ・ソーヴィニョン(アメリカ・カリフォルニア)
辛口の白ワインと発泡性ワインの例として、
- ソーヴィニョン・ブラン(ニュージーランド)
- ブリュット・シャンパーニュ
などがあります。
ブリュット “Brut” は「辛口」という意味のフランス語であり、また「生のまま」を意味し、加糖がほとんどされていないワインを指します。
スーパーのワインコーナーへ行くと、ブリュットのシャンパーニュかスパークリングワインが一番多く陳列されているのではないでしょうか^^
半辛口・半甘口/Medium
白ワイン、ロゼワインに多くみられるスタイルです。半辛口・半甘口のワインは、すべての糖分が消費されてしまう前に、「酵母を果汁から取り除く」あるいは「辛口のワインに発酵していない甘いブドウ果汁を添加する」ことによって造られます。甘すぎないけれど、ほんのり甘味のあるものがこのミディアムスタイルのワインになります。
半辛口ワインの例として、
- ハルプトロッケン”halbtrocken”(ドイツ)–白ワイン
半甘口ワインの例として、
- ホワイト・ジンファンデル(アメリカ・カリフォルニア)–ロゼワイン
などがあります。
ジンファンデル種という黒ブドウ品種から造られるホワイト・ジンファンデルは、木イチゴのような赤いベリー果実あふれる芳醇な香りを醸し出し、ほんのり甘く、女性のファンが多いワインです♡
日本国内のレストランやバーでお食事するときに、「アペリティフ(食前酒)をホワイト・ジンファンデルで♪」と注文される方はなかなかいらっしゃらないとは思いますが、なんと本場アメリカでは赤ワインの売上高の6倍を誇っているほど生活の一部に溶け込んでいるワインなんですね。
甘口/Sweet
甘口ワインは、糖分がすべて消費される前に酵母が死滅してしまうほど非常に多くの糖分が含まれているブドウから造ることができます。この糖分の量によって、ワインがより濃厚で重厚感のあるものに感じられますが、過度に甘くなることを避けるため、さっぱりした酸味によって風味のバランスを保っています。また、醸造過程であまりにも甘くなってしまった場合には、アルコールを添加することによって酵母を死滅させて造ることもあります。
甘口ワインの例として、
- ソーテルヌ(フランス)
- アイスワイン(ドイツ)
- トカイ(ハンガリー)
甘口酒精強化ワインの例として
- ポート(ポルトガル)
などがあります。
甘口ワインの中でも貴腐ワインに属するワインは、白ワインの中でも黄金色に近い色合いをしており、お値段も高価なものが多いです。
よく冷やした貴腐ワインにバニラアイスを垂らしていただくと、濃厚で高級な味わいになります。
甘口ワインが「デザートワイン」や「ディジェスティフ(食後酒)」と呼ばれる所以ここにあり。
ぜひぜひおためしください♪