2014年9月開業 東京ワイナリーの醸造家・越後屋美和氏(中央)
2015年8月開業 清澄白河フジマル醸造所の醸造長・木水晶子氏(左)
2016年8月開業 深川ワイナリーの社長・中本徹氏(右)
御三方のトークセッションを要約してみました!
東京でワイン造りをする面白さ
清澄白河フジマル醸造所では全て、契約農家からのブドウを使ってワイン造りをしています。今回は、シティーファームという山梨の農家さんのブドウを使ったワインが並んでいました。
木水氏「ブドウの栽培に関しては全て、農家さんにお任せしていて、醸造所では進捗の確認をしています。昨年は9月初旬の大切な時期に台風が襲来して、農家さんも大変苦労されましたが、とても良いブドウを届けてくださってとても感謝しています。昨年は例年よりも早くブドウを収穫したことで酸の強く、また糖度も十分に上がりきっていない状態でしたが、ブドウ自体はとても美味しい状態だったのでその酸を楽しめるようなワインをつくってみました。」とのこと。アルコール度数は8%です。
東京ワイナリーは、この時期はブドウの産地に足を運んでいるとのこと。
東京は野菜栽培などにも適した土壌なので、ブドウ造りにも適しており、越後屋さん自身は畑を持っていないため、サポーターさん等の協力を得ながら、農家さんと一緒に収穫をしているそう。清瀬市のシラーは今年で3年目。
越後屋さんは元々、東京の大田市場で野菜の卸をしていた野菜のプロフェッショナル。東京の美味しい野菜を知ってほしいという思いと、好きなワインも一緒に造りたいという気持ちが重なって今に至ります。
深川ワイナリーはオープンして2年目になりましたが、5年前ほど前から東京でできないかということを代表の中本氏は考えていたそう。「お客様がワイナリーへ行くために東京から地方へいくのではなく、都心でワイナリー見学してもらえたらいいな」と考えているときに、たまたま東京ワイナリーさんの記事を読んで、そこから具体的に動き出したそうです。
中本氏は中国にてデザインと広告の仕事で駐在、その後貿易会社でトータル16年ほど中国で働いていましたが、一流企業と働くことに疲れてしまって(←正直!)、ゆったりとした生活がしたいと思い起業したとのこと。
お互いのワイナリーへ質問コーナー(質問者→回答者)
1)「皆それぞれ忙しくしていてブラックな我社ですが(←またまた中本さん正直!)、どうしているのか?」
深川ワイナリー → 東京ワイナリー
越後屋氏「独立したときは、自由になれると思ったけどそんなことはなかった。けれども、たくさんの方の協力があったり、とても楽しいというところがあってできるところは自分でやってみたいという思いで動いています。」
2)「都内にたくさんワイナリーが増えてきていることろで、今後はどのように展開しようと考えているのか?」
東京ワイナリー → 清澄白河フジマル醸造所
木水氏「ブドウ農家ではどこも高齢化と後継者不足の問題を抱えています。ブドウ農家さんがワイン用のブドウを造るということをできる限り多くの方に魅力を感じてもらって、後継者が増え、そして安定したブドウの供給をしていただけるようなワイン造りをしていかなければいけないなと思っています。」
現在は、山形県のブドウを多く使用しており、その他では山梨、千葉、茨城県など使用しています。
東京ワイナリー → 深川ワイナリー
中本氏「今年から “見える化” に着手。醸造が全て見えるコンセプトを推進中。9-11月の3ヶ月で、山梨県、山形県、北海道に皆さんで収穫をしにいく計画を立てています。ブドウの造り手の方の思いや醸造所との関わりを伝えられればと思っています。今月末頃にホームページで募集します。」
3)「この仕事をやっていてよかったなと思う瞬間は、どんな時?」
清澄白河フジマル醸造所 → 東京ワイナリー
越後屋氏「農家さんが大切に育てたブドウが、うまく発酵できている姿を見ている時が一番好き。1人で行っているので醸造過程でのベストなタイミングはまだ難しいところはありますが、その後に出来上がってくる個性的なワインの姿を感じられるときがとても好きです。」
4)「マリアージュに対する取り組みをたくさんされていますが、ワインに合うお食事を考えているのか?」
清澄白河フジマル醸造所 → 深川ワイナリー
中本氏「僕はマリアージュに関しては素人なので、料理長と醸造家と一緒に食べて、素人目線でむっちゃおいしいー!とか伝えているだけです。醸造家の上野さんはとてもこだわっています!」
今後、造っていきたいワインのブドウ品種は?
ここから、参加者からの質問に答えるコーナーです。
中本氏「日本のワインはもちろん好きですが、重たいワインを造ってみたい。今年チャレンジしているのが、オーストラリア・ニューサウスェールズ州のシュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ。先週入ってきたのが、シラーとメルロー。年初にブドウ農家さんにお邪魔して、買い付けしてきた。来年はニュージーランドを狙っています。」
越後屋氏「農家さんに “こういう品種を試してみたい” とお願い、相談して決めているのですが、ピノタージュやタナなど挑戦してみたいです。山梨県でうまくいっている品種や、プチヴェルドにも挑戦してみたいですが、品種を増やしていくと大変なので、可能性を見ながら少しずつ増やしていければいいなと思っています。」
木水氏「農家さんが植えたいと思うブドウ品種で造っていきたいと思っています。最近は、ピノ・グリを植えたということでとても楽しみにしています。」
2017年9月開業予定の東京のワイナリー『葡蔵人(ブックロード)』
2014年から毎年1醸造所が開業している東京のワイナリー。
今年2017年も9月中旬に台東区で開業するワイナリーがあります。
その名も「葡蔵人(@bookroad.winery)」。
代表の山本氏が、今回参加されていました。
山梨県の農家さんから仕入れたブドウを使って醸造するとのこと。
台東区にある4階建のビルの1-2階でワイナリーとお客様が楽しめる施設として営業していくそうです。
楽しみですね!
個人的に中本さんが正直すぎて個性が際立っていらっしゃって素敵すぎました。おもろい。(でも私、編集大変デス)
ちなみにお手に握っていらっしゃるハンカチーフはブドウではなくスイカ模様!笑
音声が一部よくありませんが、今回の動画はこちら↓
次回の投稿では、木村硝子店の木村祐太郎氏と再登場 醸造家の岩谷澄人氏のトークセッションです。
お楽しみに!